富山ふらり旅 その③ 最終回~電車の巻

某月某日
富山~電車編 


勝手にシリーズ化してきた番外編。
最終回は電車編。

私は、決して「鉄ちゃん」ではありませんが、富山には路面電車やローカル線がたくさんあって、旅情を誘われるというか、とてもわくわくします。

路面電車にしても、角のとれた懐かしいスタイルの旧型から最新の低床式まで、よくいえばバリエーション豊富(悪く言うと、寄せ集め感満載)。次から次に異なる電車が来るので、まるで「市電の運動会」みたいで楽しいです。















夜、雨露に塗れた、市電の石畳というのもなかなか風情がありますね。





















この濡れた石畳の雰囲気、どこかで見たような光景だな、と思ったら大阪の有名な法善寺横町ですね。法善寺横町の石畳、実はあれも市電の石畳を再利用したものだそうです。夏の夕方、店先に打ち水をすると、濡れた石畳に街の灯が映って、ちょうどこんな感じに。濡れた石畳というのは風情があっていいものですね。
















時間に余裕があったので、富山駅から、JR氷見線の「雨晴(あめはらし)」という、詩情あふれる名前の駅に行くことにしました。日本海の海辺の小さな小さな駅です。
富山から片道600円。途中、高岡で乗り継ぎ待ちがあります。乗り継ぎ時間が、なんと1時間(!)。これを乗り継ぎというのでしょうか。全然乗り「継いでない」じゃないですか!

しかし、ローカル線で、そんなことを言っても始まりません。
むしろ、高岡での途中下車が楽しめていいじゃないか、という
くらいの気持ちで臨まなくては。

高岡は、さる有名な漫画家の出資地。駅前には、その方の代表作でもはや説明不要の猫型ロボットと少年少女のブロンズ像がありました。






















ようやく「乗り継ぎ」の時間。
しばらく走ると、車窓いっぱいに海が。



















「雨晴」に到着。






















小さな駅のホームに降りました。電車が走り去ると、聞こえるのは潮騒だけ。ホームのすぐうしろに、空と海、青一色の世界が広がっていました。この空間、この静寂に、このままずっと抱かれていたい、というほど愛おしく感じました。

























こんなホームのベンチに腰掛けて、かばんを抱きながら、いつやってくるともしれない電車を待つという時間も、悪くないな、と思えてきます。























次の電車は20分後に来る、とのこと。もうちょっと、ここにいたいな、と思って、少し頭のはげた、人の良さそうなにこやかな老駅員にその次の電車をを尋ねると、「そうねぇ、2時間後になるかねぇ」。残念・・・それでは富山発の帰りの電車に間に合わない・・・。いつか、季節はずれの、よく晴れた平日に、小さなボストンバッグを抱えて、お泊まりしたいものです。






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